
作業内容の見積もりを立てることは、プロジェクトマネージャーの主要業務の1つです。
しかし、見積もりを立てるのは以外と難しいことも多いんですよね。
ベテランの方なら、どの程度の開発工数がかかるか経験から予測できるものです。
しかし、最近プロジェクトマネージャーになった方だと、予想以上に時間がかかったり、予期せぬ作業が発生したりすることも多いです。
そこでWBS の出番です。
WBS を使うことで、作業見積もりを正確に立てることが可能になります。
本記事では WBS とは何か、WBS を導入するメリット、WBC の作り方について解説します。
作業見積もりの立て方に悩む方はぜひ本記事を参考にしてください。
もくじ

WBS とは、作業内容を分解したツリー構造の図のことです。
Work(仕事)・Breakdown(分解)・Structure(構成図)の略ですね。
WBS を作る場合、プロジェクトのタスクをまず洗い出します。
そして、タスクを分解していき、小さい単位に分け、ツリー構造にしていくのです。
一見単純なようですが、大きいタスクから細かいタスクを手順に沿って考えていくことで、タスクの抜け漏れを防ぐ効果があります。
いきなり小さいタスクから考えると、タスクの抜け漏れに後から気がつき、リスケせざるをえなくなることが多くあります。
WBS を作ることは、プロジェクト管理における基本と言えるでしょう。

WBS を導入するメリットは次の3つです。
- 作業分担がしやすくなる
- 管理がしやすくなる
- 見積もりを立てやすくなる
1つ1つのメリットについて詳しく解説しますね。
WBS を作ると、作業分担がしやすくなります。
WBS ではそれぞれのタスクに1つずつ、1人の担当者を割り振っていきます。
1つのタスクに1人ずつ割り振るため、それぞれの作業内容が明確化しやすいです。
なおかつ、責任感を持って作業することができます。
プロジェクトマネージャーにとって、管理がしやすくなるメリットは大きいでしょう。
WBS を作ることで、各タスクの進捗状況が可視化され、どのタスクが遅れているのかすぐ分かるようになります。
また、WBS をチームで共有すれば、誰が何をやっているのか全員把握できます。
特にリモートワークではお互いの作業状況が見えないので、WBS の共有は効果を発揮しますよ。
加えて、「WBS の2番の仕事の進捗はどう?」というように、メールでスムーズにやりとりできるのもメリットです。
作業内容を細分化することで、見積もりが分かりやすくなります。
それぞれのタスクの作業時間を見積もり、それを合算すれば良いだけですからね。
作業時間の目安が分からず困っていた方はこれで解決できます。
また、おすすめなのが、クライアントとの打ち合わせで WBS を提示することです。
WBS を見せることで、どの程度開発時間がかかるのか、クライアントもイメージしやすくなります。
「納期もっと短くできません?」と突っ込まれたり、不満を抱かれたりすることを防ぐ効果がありますよ。

ここまで読めば WBS の良さがお分かり頂けたかと思います。
最後に WBS の作り方について解説しましょう。
WBS は次の手順で作るのが一般的です。
- 作業内容を洗い出す
- 作業の順番を決めツリーを作る
- 作業の見積もりを考える
- 担当者を決める
1つ1つの手順について詳しく解説しますね。
まずはプロジェクトのゴールを明確化しましょう。
そして、ゴールに必要な作業を洗い出していきます。
たとえば「開発」「テスト」など大きなタスクをまず書き出します。
そして、徐々に各タスクの作業を細分化していきます。
「開発」なら、「ログイン機能の開発」「マイページの開発」などに分け、更に各プログラムごとに分けていくのが一般的でしょう。
このようにして、ツリー構造を作成していきます。
「どこまで細分化すれば良いか」ですが、1番小さなレベルのタスクが、数時間~数日程度の作業に収まるようにするのがポイントです。
これぐらいまで細分化すれば、作業分担しやすくなります。
次に、作業の優先順位を決める必要があります。
たとえば「Web ページ作成の前にデザイン作成が必要」など、順番を可視化します。
順番を明確化しないと、各タスクの見積もりの予定時間を考えられません。
次に、各タスクの作業予定日数を考えていきます。
作業の優先順位を踏まえつつ、どの作業をいつまでにやるか考えていきましょう。
すでに作業が細分化されているので、スムーズに見積もりを決められるはずですよ。
最後に、各タスクの担当者を決めます。
各タスクにつき担当者は1人にすることを徹底してください。
なぜなら、担当者が2人以上いると、責任感も薄れますし、誰が何をやっているのか分かりにくくなるからです。
1人だと難しいタスクは、更に細分化させる必要があるでしょう。
本記事では、WBS について解説しました。
WBS はどのように作るのか、ご理解頂けましたでしょうか?
WBS を作るというのは一見単純なテクニックに思われますが、かなり効果的です。
作業の抜け漏れをなくすには、ツリー構造にして可視化するのが良いです。
また、それぞれのタスクの作業時間も推測しやすくなり、見積もりをより正確に立てられますよ。
プロジェクトマネージャーの方は、ぜひ WBS を試してみてくださいね😊