新規事業をはじめるぞ!という時に、「MVP」という言葉に出会う機会があります。
こちらの記事でも紹介していますが、「MVP(Minimum Viable Product)」は「検証可能な最小限の製品」という意味を持ちます。
試作品を作成し、仮説・検証を行うことに相当するとお伝えしていますが今回はそのMVPについてもう少し詳しく紹介したいと思います 😊
読み終えた頃にMVPが新規事業開発においてとても重要で必要だということがお伝えできれば幸いです✨
もくじ
そもそも「MVP(Minimum Viable Product)」という用語はどのような場面で生まれたのでしょうか?
MVPは、2001年に フランク・ロビンソン によって考案・定義され 、その後スティーブ・ブランク と エリック・リース によって広められました。
from wikipedia
エリック・リース は、「リーンスタートアップ」という起業方法論のビジネス書籍が反響を呼び、その中でMVPの重要性を提唱しています。
「Lean」は「無駄のない」「Startup」は「起業」をさすことから、「無駄のない起業」を意味しています。
リーンスタートアップは、顧客開発・アジャイル開発・リーン手法(トヨタ生産方式)を統合した内容となっています。
世界的に有名なIT大企業の発祥の地シリコンバレーで、いまも数多くのスタートアップがイノベーションを起こそうと起業しています。
エリック・リース は、そんなシリコンバレーのスタートアップの多くが失敗する事実を知り、成功したスタートアップの2/3が当初のプランを途中で大幅に変更していることに気づきます。
成功するスタートアップは、最初から優れた計画を持っていたわけではなく、リソースを使い切る前にうまくいく計画を見つけ、実行したからなのだと。
完成品ではなく「検証可能な最小限の製品」= 「MVP(Minimum Viable Product)」を「構築」し、「計測」、「学習」のプロセスを短期間で繰り返すことによって起業や新規事業の成功率が飛躍的に高まると言われています。
リーンスタートアップで使われている「リソース」は「時間」を意味します。
この時間というリソースを有効活用することが新規事業成功へ導く大事な鍵となっていきます。
新規事業失敗の最も多い原因は、「そこにニーズ(市場)がなかった」ということです。
しかし、最終的にそれを確認するためにはサービスを作って使ってみてもらう他にありません。
ニーズを検証するために、完成品を開発するには多くの時間とコストがかかります。
もし需要がないことに気づいた場合、長い時間と費用をかけた製品はそのまま利益を生まずに撤退、もしくは苦し紛れに悪循環の中さまよう事になるかもしれません。
MVPは小さく作り検証を行えるので「無駄になるコスト」も小さくおさえることができます。
また、IT技術の進化やそれに伴い顧客の欲求や本当に必要としていることも目まぐるしいスピードで変化していきます。
それらの変化にも柔軟に対応するためにはMVPが必要となります。
逆に言うと、MVPを行えないと変化に耐えうることができない開発と言えます。
リーンキャンバスを埋めたり、最初の事業仮説が検証できそうな段階になったらMVPを着手する準備に入ります。
具体的にMVPはどんな風に作られていくのでしょうか?
例をもとにわかりやすく対話型でみてみましょう!
🛠 作りたいもの:副業マッチングサイト
💡 発端:働き方改革やコロナの影響もあり、副業をする人が今後は増えるぞ!副業を求めている人と、副業でもいいので仕事を任せたい人の課題を解決できるサービスになるといいな!
💪 強み:企業と個人との副業マッチングがメインではなく個人と個人で成り立つような誰かにとって宝物となる価値提供にできる
😩 課題仮説:
・募集者:業者に頼んだりするほどの量と予算はないが、クオリティあるものができると嬉しい
・応募者:プロではないが趣味が高じてプロレベルになったこの技術で副業できれば嬉しい
😊 ソリューション仮説:
・募集者:予算とクオリティに満足できる
・応募者:趣味が収入となり、自信や楽しみが増える
インタビューも終え、つかみもまずまずでした!おおよそ仮説が見えてきました!
いいですね!それでは次のフェーズはMVPです。実際にニーズが検証できるまでのミニマムラインを目指して開発をはじめていきす。
まずは、どんな機能が必要そうか、欲しい機能も含めてとにかく洗い出してみましょう!
まずは、ログイン機能でしょうか。
そうですね、最初の新規登録の際に、GmailアカウントやSNSのアカウントでログインできるものなど認証フローも種類があります。
なるほど。確かにSNSのアカウントで連携してログインできると新規登録の際に埋めなければいけないフォームをスキップできて楽ですね。
ユーザー同士の交流ができる機能も必要になってきますね。
そうですね。副業を募集する人・応募する人が利用するので、副業の募集を登録する機能や応募する機能がそれぞれ必要です。
副業の募集は、登録・編集・削除 といった機能が必要ですね。応募は応募履歴やキャンセルなどできるようにして募集主とのやりとりができるような機能も必要ですね。
応募者のプロフィールなんかを検索できるようにして、募集する側からスカウトできるような機能もあると嬉しいですねー。
いいですね!
1時間後
議事録には考えつく機能や実装に必要な要件が200以上羅列されました。
具体的に必要そうな機能とやることが見えてきましたね!
こんなにあるとは!機能一つとっても、付随して必要な機能があったり表面的な部分でしか想像できていなかったことがよくわかりました!
それでは、今度はこのサービスのMVPを開発するためにどこまでを最小限ラインとするか優先順位を考えましょう。MVPは製品がもつ価値によってどこが最小限ラインかが変わってきます。
同じようなサービスを作ってもMVPは変わるのですか?
同じようなサービスを作るのでは競合との差別化がつかないので、我々の作るサービスをユーザーに選んでもらう理由がなくなり、検証ができなくなります。そのために、事業仮説に強みとなる圧倒的な優位性、独自の価値を定義しています。
それもそうです!
なので、強みを取り入れることを優先したMVP開発となります。MVPの開発期間はおおよそ3ヶ月をめどに、列挙した機能から優先を決めていきましょう。
わかりました!利用してもらうユーザーは趣味が高じた若者から主婦・会社員の人などターゲットがスマホユーザーだと思うので、レスポンシブは最低限取り入れたいです!
そうですね!応募する方の価値を提供するためにも今までの実績掲載や動画掲載も優先にあげておきたいですね。
実際の作業工程など紹介すると、信頼され頼みやすくなりそうですね!プロフィールに動画を掲載している副業サイトはあまりみかけないのでそこもいいかもしれません。
あとは決済機能と…。
スカウト機能は、今回のMVP後に再度検討しましょう!
わかりました!
1時間後
MVP開発に必要な要件が決まり、タスクの優先も決まりました。
これで検証に向けた最低限のものができそうですね!
はい!引き続き宜しくお願いします!
実際はもっと細かな議論は行われますが、このような流れで無事にMVPの要件が決まっていきました!
・MVPは新規事業開発において無駄なコストを作らない
・MVPによってうまくいく方法を検証しながらすすめていくことができる
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