#2 ジブリで学ぶ WEB集客 ~ 新人WEB広報担当の本音 ~

#2 ジブリで学ぶ WEB集客 ~ 新人WEB広報担当の本音 ~

1話はこちら

とりあえず。
まずは先人の知恵を借りるべく私はWEB集客の情報を収集することにした。

いくつか施作できそうなものを列挙した。

・ SEO対策
・SNS
・広告
・ブログ
・コンテンツ

いろいろあるんだな…。

ただ社長は3ヶ月という期間を設けている。
3ヶ月で達成できる、ゴールに近づける方法をこの中から見つけてやっていかなければならない。

SNSとかなら…面倒くさそうだけどいける気がする!という謎の自信。

SEO対策は、会社のサイトにテコ入れする感じで多分、SNSやブログとかにも共通で使えそうな内容なのかな。
広告は少ないけど予算の範囲内でまかなえれば少しは出稿できそう…。

コンテンツも会社サイトやブログ始めたら見直しを加えつつやっていくような内容に感じた。

そして分析…。ペルソナ…。ジャーニーマップ…。CVR…。KPI…。KGI…。TKG…。

うあぁああああー!!

正直どこから手をつけたらいいのかわからなくなって、笑顔でここから逃げ出したい気分になった。

落ち着こう。
一旦落ち着こう。

着実にできることを探そう。
大体、得る情報が多すぎ・立派すぎてうちのような小さめの会社のスケールに合っているのか不安になってくる。

早速脳内が不安でいっぱいになりかけた時だった。

「ぃYO!」

背後からポンッと肩を叩かれた。

「ハァハハハハッッハハハク先輩!!!」

振り返るとそこには、会社から独立してベンチャーを立ち上げやや波にのっているイケメン・ハク先輩が立っていた。

「面接以来だね!担当してすぐいなくなっちゃってごめんNE★︎ 調子DO?」

( …あれ。こんな感じだっけ…。)

「あっはい!大丈夫です!いえ、大丈夫ではないです!聞いてくださいー!!」

かくかくしかじかで、ことの成り行きと カオナシ先輩の「なんそれ」発言をやや誇張しながら、すがる思いでハク先輩に相談した。

「そうだなぁ。うん、やるしかないねっ!」

ハク先輩はキリッとした眼差しで見つめながら、固く握手をして颯爽と去っていった。

( いや、絶対他人ごとやん… )

もうこれは、正解はどこにもないのだと感じながらまた机に向かった。

とりあえず、時間がかかりそうなものを逆算して早めに準備できるものを選別していった。

その日のうちに、SNSのアカウントを開設し、ブログを立ち上げ、会社サイトのSEO・コンテンツの見直しに必要なタスクを洗い出してみた。

運用スケジュールも決めたかったが同時にやることが多くてそこまではできなかった。
ペルソナやカスタマージャーニーマップも書き出してみたがこんな感じだろうか?という感触に終わった。

情報を集めれば集めるほど、やらなくてはいけないことが押し寄せ、そこからやってみる価値のありそうなものの判断コストがかかっていた。

しかも手探り状態なので、常にあってるのかな…なんていう曖昧な状態だった。

でもやるしかない。
無理やり進むしかなかった。


「YOU無風だね。」

1ヶ月半くらいたって社長が言った。

「え?今日は結構風強かったですよー!」

「違うよ。アクセスだよ。全然伸びてないじゃないか。」

そう。
アクセスはうんともすんとも影響が出ていなかった。

あの夜、1ヶ月で達成しちゃうかもっ!なんて思っていた自分を そのまま風呂釜の底に沈めてやりたい。

Twitter や Facebookページ を立ち上げ、広告を試してみたり、ブログ記事をいくつか継続更新してみたり、コーポレートサイトのお問い合わせの障壁を下げたり提供しているサービス内容をお客様の答えとなるように組み直したり、できることをやっているつもりだった。

ただ、分析できるような数字が出てくることはなく、お問い合わせも皆無だった。

Twitter や ブログにいたっては、島流しにでもあっているかのような気分で、先のわからない不安な思いでフォローを増やしたりブログ記事を更新したりしていた。

最初はフォローする人も厳選していたけど目標するフォロワー数には程遠い伸び率だったのでキーワードでひっかかる人を対象にフォローしていった。

いくらでもフォローできると勘違いしていたので、フォロー数に制限がかかっていきなり身動きがとれなくなったのはいい思い出だ…。

「やれるだけ、やります!」

そういって、また机にかじりついた。

机に戻ると、カオナシ先輩がそっと本を渡してきた。

差し出された本にはこう書いてあった。

「ネット集客のやさしい教科書。小さな会社がゼロから最短で成果をあげる実践的Webマーケティング」

「…え…これ…」

「なんかいいらしい。」

「なんかって!」

強めにツッコミつつも、私はその先輩の不器用な応援がとても嬉しかった。
そして、会社の境遇に近いその本の内容は参考になった。
… しかも Amazon Unlimited でも読める。

そっか。大手企業が対策することと、私たちができることってやっぱり違うよね…。

でも、これで考えなくていいこともわかってきた。
あと1ヶ月半、やっぱりやれるだけ頑張ってみようと気持ちみなぎってきた。

つづく

出典:スタジオジブリ場面写真「千と千尋の神隠し」より