IT業界には意味を知らない言葉がいくつもあり、「ベンダー(vendor)」もその1つではないでしょうか 🤔
言葉自体は聞いたことがあっても、「ベンダーって何?」と聞かれたら答えられず、雰囲気で理解している人も多いです 😊
そこで、本記事ではベンダーとは何か、について解説します。
ベンダー会社の例やベンダーの種類についてまとめました。
加えて、ベンダーとDXの関係性についても詳しく解説します!
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉も今流行っていますが、実はIT業界におけるベンダーの立ち位置がDX推進の障害になっている恐れがあり、その辺りについても解説していけたらと思います✨
ベンダーについて深く知りたい非技術者の方はぜひお読み頂けたらと思います。
もくじ
ベンダー(vendor)とは売り手、販売者という意味です。
この言葉はIT業界で使われてることがほとんどです。
IT業界において、製品やサービスを販売する会社のことを指します。
ベンダーは製造会社が作った製品をユーザーに届けるのが役目です。
代表的なベンダー会社には次のようなものがあります。
- IBM
- Oracle
- 富士通
- 日立製作所
- NTTデータ
誰でも一度は聞いたことのある大手企業も、実はベンダー会社の分類に入るのです。
ただし、開発のみを行う会社は基本ベンダー会社とは呼びません。
ベンダー会社は大きく分けて次の2つに分類されます。
- シングルベンダー
- マルチベンダー
シングルベンダーとは、単一メーカーの製品を取り扱う会社のことです。
たとえば、Oracle はシングルベンダーに該当します。
Oracle はデータベースなどの自社製品のみを販売しているからです。
マルチベンダーとは、複数のメーカーの製品を取り扱う会社のことです。
ほとんどのベンダー会社はマルチベンダーに分類されます。
複数メーカーの製品を組み合わせてシステムを構築し、それを販売する場合も含まれます。
ベンダーは製品を販売するのが仕事ですが、メーカーは製品を作るのが仕事です。
ベンダーとメーカーは対をなす存在ということになります。
ただし、IT業界においてはベンダーとメーカーの両方の役割をこなす会社も多い点は注意です。
そのため日立製作所や富士通などはむしろ、メーカーと呼ばれることの方が多いですね。
ベンダー兼メーカーの方が、ユーザーと直接取引ができてコスト削減に繋がる、ユーザーのニーズをいち早く製品改善に役立てる、などのメリットがあります。
サプライヤーとは、その会社の視点から見た、供給の役割を担ってくれる会社のことです。
メーカー視点では、メーカーに対し製造に必要となる部品を提供してくれる会社のことを言います。
ベンダー視点では、売るための製品を提供してくれる会社、すなわちメーカーのことを言います。
サプライヤーは立場によって意味が変わるややこしい言葉です。
ここからは、ベンダーとDXの関係性について解説します。
DXを推進するにあたって、ベンダーがどんな影響を及ぼしているのか、みていきましょう。
DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、ITを駆使してサービスやビジネスモデルを展開し、コスト削減や生産性アップを狙う施策のことです。
提唱者のスウェーデンのエリック・ストルターマン氏は「人々の生活をあらゆる面でより豊かに変化させる」がDXの概念と言っています。
なんだかすごく壮大な話に思えますが、私達の身の回りにもDXは溢れています。
DXの例としては「ペーパーレス化」が挙げられます。
ペーパーレス化とは、紙の資料を減らし電子化された資料を活用することで、業務効率化をはかることを言います。
他にも、ファイルを「Google ドライブ」でクラウド上に保存するように変えるだけでもDXです。
日本は全体的にDXが遅れています。
そこで、2018年に経済産業省が「DX推進ガイドライン」を設置し、国をあげてDXを推進しようとしています。
たとえば、最近話題になっている「脱ハンコ」も、国がDXを推進していることと関わっていますね。
企業がDXを進める場合は、システムを構築するためのエンジニアが必要です。
ところが、エンジニアはIT企業以外の一般企業には当然雇われていません。
そのため、一般企業はエンジニアが配属するベンダー企業に、「このシステムの開発をお願いします」と依頼することになります。
つまり、アウトソーシングするということですね。
しかし、経済産業省は「DX推進ガイドライン」で「ベンダーに頼りすぎるのは良くない」と言っています。
参考:DX 推進ガイドライン – 経済産業省((2)DX を実現する上で基盤となる IT システムの構築)
なぜなら、ベンダーに開発を丸投げすると、システムの詳細をベンダーしか知らなくなるからです。
するとトラブルがあったときもベンダーを頼らざるをえず、一般企業がITシステムを柔軟に活用できません。
このように、一般企業がITシステムを把握せず、DXを自分達で進められない可能性があります。
ベンダーと一般企業は単なる取引先ではなく、「1つのチーム」のつもりで関わることが望ましいです。
一般企業はベンダーに丸投げせず、自らがシステム開発の企画・要件定義に関わり、ITシステム把握に努めるのが良いです。
ベンダー企業側も、クライアントの課題を深く知り、システムを事業展開にどう活かすかコンサルティングするのが良いと言えます。
お互いがお互いの領域に深入りし、相互理解に努めることがDX推進に繋がります。
いかがでしたか?😊
本記事ではベンダーについて解説しました。
ベンダーの種類や役割がお分かり頂けたかと思います💪
ベンダーがいることで企業がDXを始めやすくなる一方で、ベンダーに頼りすぎてしまうという問題があります。
企業がDXを推進していくためには、ベンダーと企業がお互いの領域に深入りし、「1つのチーム」のつもりで関わることが求められます。
IT活用の重要性が叫ばれる昨今、ベンダーの重要性は更に増していくでしょう。
本記事がベンダーについて知りたい方にとって有意義なものとなれば幸いです。