これまで「紙とハンコ」による契約・承認などが日本のビジネスの慣行でしたが、テクノロジーの進歩と法整備が進み、紙の文書から電子文書への移行環境が少しずつ整ってきています ✨
また、COVID19(コロナ)によって、リモートワークが求められている今こそ、ペーパーレス化に取り込み、セキュリティや業務効率性、安全性の観点からビジネスの価値を高めていく必要があります。
今回は、ペーパーレス化のメリットとペーパーレス化の進め方について解説いたします😊
もくじ
まずはペーパーレスが求められている背景について、大きく安全、法整備、セキュリティ、業務効率という4つの観点から説明します。
安全という観点では、COVID19(コロナ)の脅威への対策としてリモートワークを進めていく必要がありますが、紙の存在がリモートワークの阻害になっています。
1* ロボットペイメントが現役の経理担当者に1000人にアンケートを取ったところ、在宅勤務を実施できたのは全体の30.9%で、期間中に出社した理由は「紙の請求書業務」が1位だったそうです。
紙の取引を無くし、リモートワークを推進していくことが従業員の安全を守る上で重要なことだと言えます。
法整備という観点では、2017年に国税関係の領収書の電子化が可能になったり、2019年には電子帳簿保存法で重要な国税関係書類を過去に遡って電子化することが可能になったりと、規制緩和の動きがあります。
セキュリティの観点では、物理的な紙で顧客の個人情報や契約情報を管理している場合、紛失や盗難のリスクが大幅に高まりますが、ペーパーレス化しておくと、ハッキングやサイバー攻撃への対策を取っていれば紛失や盗難のリスクを限りなくゼロに近づけることができます。
業務効率という観点では、印刷や郵送などの時間を単純に短縮できたり、共同でドキュメントを編集することができたりと利点が多いことが挙げられます。
1* 参考)
「なぜ経理だけ出社しなくてはならないのか」 経理のDX化を推進するプロジェクト開始 みずほ銀行やランサーズなど参加
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2007/02/news124.html2時間かかっていた 仕事が10分に 経理業務を大幅に効率化
https://www.smartocr.jp/company/company_01.pdf
ペーパレス化のメリットを直接コストの削減、セキュリティの向上、生産性向上の3つに分けて説明します。
1. まず、直接コストの削減についてです。
ペーパーレス化によってコピー用紙やプリントアウト料金、インクやコピー機のレンタル代、収入印紙などにかけていたコストを削減できます。
また紙は物理的な物体のため、保持するにはオフィススペースや、時には倉庫が必要で管理コストがかさみますが、ペーパレス化すれば安価なストレージ代金のみ課金される程度になります。
2. 次にセキュリティの向上です。
セキュリティの向上という観点では、ハッキング対策のソフトウェアの導入など比較的少ないコストで個人情報や取引・契約情報の流出を防ぐことができ、セキュリティインシデントのリスクも大幅に軽減することができます。
3. 最後に生産性の向上です。
ペーパーレス化によって、Excel やパワポで作った資料の印刷レイアウトを調整したり、実際に印刷する時間を削減できたり、シュレッダーにかける時間もなくなるため、生産性が大幅に向上します。また Google や Microsoft、Amazon のドライブなどを活用し、オンラインで資料の確認や、メンテナンス、アップデートができる仕組みを構築しておくことで、生産性が上がるだけでなくリモートワークの環境構築にも繋がります。
それでは具体的なペーパレス化へのステップをみていきましょう!💪
まず、ペーパーレス化対象業務の選定フェーズでは、社内の既存業務全体を俯瞰し、経理領域、調達領域など部門ごと、さらには支払、請求、出庫、入庫など業務ごとに切り分けて、業務フローを作成し、既存業務を可視化しておく必要があります。
その後、ペーパーレス化によって、セキュリティや生産性の観点から大きな効果が出そうな業務を選定し、取り組む際の優先順位をつけていきます。
また、法的な規制があるなど、ボトルネックになりそうなポイントを事前に整理しておくことも重要です。
業務フローが可視化され、ペーパーレス化の対象が決まったら、ソリューションを選定します。
ソリューションといっても、稟議や承認フローの場合「ワークフロー」、ドキュメントを共同で修正する場合は「ドライブ・クラウド」、紙のPDF化の場合、「AI-OCR」など様々なので、新業務の要件に合わせてソリューションを選定する必要があります。
ここで、ソリューションの導入自体が目的にならないようにすることが非常に重要です。あくまで実現したい新業務があり、そのためにテクノロジーを活用するという意識が大切になります。
例えば、「流行りのRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とかAIをとりあえず使おう」といった意識でソリューションを選定すると、逆に非効率なシステムが生まれたり、コストがかかりすぎてしまったりと別の問題が発生するからです。
様々なソリューションを多角的に吟味し、課題に対して適切なデジタル技術を採用することが大事です。
ソリューションの選定が完了したらいよいよ導入フェーズです。
導入フェーズでは、新しい業務フローに沿ったテストシナリオを作成し、ユーザー自身で受け入れテストを実施し品質を高めたり、システム操作マニュアル・業務マニュアルを作成したり、説明会を実施するなど新業務が定着するように努める必要があります。
「ソリューションを導入できたらペーパレス化は完了」ではなく、新業務が定着し、直接コストの削減、セキュリティの向上、生産性向上といったメリットを享受することがゴールです。導入後のフォローアップまできちんと計画、実行するようにしましょう。
現在政府もハンコの在り方、承認フローなどの見直しを急速に対応していこうとしていますよね 😊 ✨
フローを整備し、定着すれば本来やるべき仕事に時間がさけることも可能となっていきます。テクノロジーの恩恵によって、生産性があがることを願います。
導入や定着に各所で壁があるかもしれませんが乗り越えていきたいところですね!💪