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プロシューマーとは?事例とともにわかりやすく解説

プロシューマーとは?事例とともにわかりやすく解説

みなさんはプロシューマー(prosumer)という言葉を一度は聞いたことがありますか?🤔

昨今、トレンドワードの1つであるプロシューマーは生産者(プロデューザー)消費者(コンシューマー)を組み合わせた造語で、日本語では生産消費者といいます。

ただ、言葉だけではいまいちピンと来ない方も多いのではないでしょうか?

今回はそんな方に向け、プロシューマーについて概念の意味から事例紹介まで体系的に説明させていただきます。サービスや製品の開発でプロシューマーが1つの思考の軸になれば幸いです ☺️

プロシューマーとは?

まずはプロシューマーの言葉の説明をさせていただきます。

プロシューマーとは生産者(プロデューザー)と消費者(コンシューマー)を組み合わせた造語で、日本語では生産消費者といい、消費者と生産者の架け橋を意味しています。

これだけではピンとこない方も多いと思うので、噛み砕いてプロシューマーの概念を解釈すると、「サービスや製品を開発する際に、生産者は消費者の考え・ニーズを取り入れ顧客視点で考える必要があり、時には実際の消費者に開発プロセスに参加してもらい、価値を共創しましょう」という考え方だといえます。

生産者が消費者的な側面を持つか、取り入れていく必要があるということを端的に表した言葉が「プロシューマー」です。

プロシューマーがトレンドな理由

それではなぜ、昨今プロシューマーが注目を浴びているのでしょうか。

ずばりその理由は、成熟した経済・市場においては個々の消費者のニーズを深く捉え、品質や価格以外の付加価値をもつ商品やサービスを提供していく必要があるからです。

成熟した経済・市場では新規サービス・製品を市場に投入しても、製造コスト、技術力に大きな差異はないためすぐに模倣され、コモディティ化してしまいます。(コモディティ化:市場参入時に、高付加価値を持っていた商品の市場価値が低下し、一般的な商品になること)

コモディティ化したサービス・製品を消費者に選んでもらうには、「ロイヤリティ」や「愛着」が1つ大きなポイントとなります。

私たち人間はモノや人との繋がりが強ければ強いほど、その対象について「ロイヤリティ」や「愛着」をもつことができます。

ではその強い繋がりは、どうすれば獲得できるのでしょうか?その答えの1つは「消費者自身に開発プロセスに参加してもらうこと」だと言えます。

消費者が開発プロセスから参加し、ともに商品を作ることでサービス・商品と繋がりを感じ、ロイヤリティ・愛着を持つことができるようになります。

これはまさにプロシューマーの重要な概念そのものであり、経済・市場が成熟した今、注目されている理由だといえます。

プロシューマーの事例

これから消費者自身がサービス・製品の開発に参加したプロシューマーの事例を3つ紹介します 🙌

1. 無印良品 「体にフィットするソファ」

「人をダメにするソファ」というキャッチフレーズをご存知でしょうか?
これは無印良品の「体にフィットするソファ」のプロモーション用フレーズです。

2002年から発売されている本商品は微粒子ビーズと伸縮性のあるカバーを用いた1人がけのソファで、座り方に合わせて自由自在に変形するのが特徴です。

発売当初は順調に売れていたようですが、途中から販売不振に陥り、販売終了も検討されたようですが、最終的には危機を乗り越え、2013年に9万個、2014年に13万8000個も売れ、爆発的な大ヒットとなりました。

その復活劇を支えたのは、あるインフルエンサーが SNSで「人をダメにするソファ」という言葉で紹介したからのようですが、この商品自体はもともと「モノづくりコミュニティ」から誕生しています。

現在は終了してしまっていますが、「モノづくりコミュニティ」とは無印良品を展開する良品計画が、消費者の声を反映しながらモノづくりを進めるためにつくった仕組みです。

商品を開発する際に、デザインや機能などについてユーザーへ投票を実施する仕組みで、本商品の場合は、1人がけソファの5つのアイデアを提案し、最も票が集まったのが「体にフィットするソファ」だったようです。

これは「消費者自身に開発プロセスに参加してもらうこと」を実現しているプロシューマーの事例であるといえます。

2. オープンソース リナックスの開発

皆さんはリナックスという OS をご存知でしょうか?

リナックスとは私たちが Android のスマホや iPhone、Mac、Windows を使って、ネットサーフィンをしたり SNS を確認したりする際に、必ずといっていいほど裏で活躍している OS です。

このリナックスは、有志のエンジニアが無償で開発に取り組んだことによって、機能が充実しあらゆる場所で使われる OS となりました。

なぜ有志のエンジニアは無償で開発に取り組んだのでしょうか?趣味の範囲だとか、技術力を上げたいだとか理由はそれぞれでしょうが、「自分が本当に欲しいと思う OS をオープン作れたこと」は一つ大きな理由だといえます。

マイクロソフトのウィンドウズのように一企業が開発したものの場合、必ずしもユーザーのニーズ全てに対応できているとは限りません。

しかし、オープンソースの場合、ユーザーが1番使いやすいものを自身で開発できるため、ユーザーに寄り添ったOSが生まれ、広く受け入れられたといえます。

これもまさに「消費者自身に開発プロセスに参加してもらうこと」を実現しているプロシューマーの事例であるといえます。

3. インターネット百科時点 ウィキペディア

インターネットを使う方なら当然、ウィキペディアをご存知ですよね?ウィキペディアも実はプロシューマーの概念が当てはまります。

ウィキペディアでは誰でも新しく記事を立ちあげたり、記事を編集したりでき、ユーザー参加型の百科事典だといえます。

誰かに依頼されたわけではなく、有志の編集者たちが情報を書き加え、更新していくことで、最新の情報が常に反映されています。

なぜ有志の編集者は無償で更新・修正を行うのでしょうか?

理由はそれぞれでしょうが、リナックスの事例同様「自分が本当に欲しいと思う百科事典を作れたこと」は一つ大きな理由だといえます。

ユーザーが1番使いやすいものを自身でアップデートできるため、ユーザーに寄り添った百科事典が生まれ、広く受け入れられたといえます。

これも「消費者自身に開発プロセスに参加してもらうこと」実現しているプロシューマーの事例であるといえます。

まとめ

いかがでしたか?

きっと双方のコミュニケーションのとりかたも工夫のしどころですね!

商品開発を始め、モノではなくコトサービスにもプロシューマーを活かしてよりよいものにして人に寄り添い続けるものを提供できたらいいですね ☺